子どもの不登校~⑦その時、親の私は…

中学1年の3学期は、給食だけの登校も多かったものの

最後の方の何日かは、朝から自転車で行くようになって

いたと思います。

私は、子どもの不登校が一進一退する姿を見ていて、

この子はきっと、私や周りがあぁだ、こうだ言わなくても、自分で立ち上がろうと思ったら、必ず自分の力で立ち上がっていけるだろう…という強い確信がありました。

私は、もう、学校はいいや…という建前とは裏腹に、やはり学校に行ってほしい!

という本音はいつも持ちつつ過ごしていました。

その事を、無料カウンセリングで聞いて頂き、私の思いを受容して

頂きながら子どもと関わっていました。

不登校になりたての頃は、テープで習ったこと、そのままを

子どもに言ったりしていました。

学校行ぐ、行がないは二の次!

お前がここいる、それだけでいいんだぞぃ!と。

山形弁でカウンセラーが話していたそのままを

子どもに伝えていました。

学校に行くとか行かないとかのDoingではなく

ここに生きてるだけでいい!という、Beingに向けての

関わりをしていくことを教えて頂きました。

私の子育ては、まさにDoingそのものだったように思います。

そんな自分の未熟さ、情けなさを抱えながらいましたね。

小さいより大きいほうがいい…

遅いより早い方がいい…

低いより高いほうがいい…

生まれた時は、Beingだけだったはずなのにね。

いつの間に、Doingがメインになってしまったのでしょうね。

それでも私は、自分なりにできる精一杯をしながら過ごしていました。

ある日、子どもの好きな豚汁を作った時、飼い猫に

鍋さらこぼされてしまい、すべて駄目になってしまいました。

私は、ひどく悔しい思いをしましたが、子どものためと思って

もう一度作り直しました。

ひどく、惨めな思いと闘いながら

でも負けない!という思いをもって

作り直しました。

誰も見てないけど、頑張ったよ、私。

ある日、子どもの部屋から朝焼けを見た日がありました。

その空の美しさに心が溶かされ、明けない夜はない…という

歌が心に響いてきました。

あぁ~何だか大丈夫な気がする!

私の心は不思議と大丈夫な思いで満たされたのでした。

暗いところから、空が明けていくその姿に子どもを重ねながら

必ず立ち上がれる日がくることを確信しました。

それからまもなくして、中学2年の初めから突然、

学校に行く!と言い出し、

それから毎日学校に通うようになりました。

学校に行きだして、心療内科はもういい!と子どもが言ったので

通院もやめました。

こうして、長かった子どもの不登校は

終わりを告げたのでした。

私は、子どもがあまりに自然に学校に行くと言い出したので、

今までの事は、いったい何だったんだろう…と自分でも整理が

つかない状態でした。

2年生の初めての授業参観は忘れません。

英語の授業で、学年全体で成績別に分かれて行われていました。

我が子はもちろん、一番下のクラス。

でも、そんなのどうでもいい。

ただ、授業に出られている、その事が嬉しくて嬉しくて

たまらなかった。

初めての英語のテストは、19点もとれたんです。

すごいでしょ!うちの子!!天才!!!!!!

夏には、制服のワイシャツにアイロンをかけられる幸せを

しみじみと感じていました。

成績なんて、ほんともうどうでも良かった。

学校に行ける、テストを受けられる、成績がつく…

そんな当たり前の事が、当たり前ではなかったから

本当に本当に嬉しかった。

私は、子どもを通して真に豊かな人生を歩ませてもらっている…

そう感じています。

何が子どもを学校に向かわせたのか…私は正直分かりません。

私は、お母さんの忍耐と努力だ!って思いたかったけど、子ども曰く

あなたのせいで学校に行けるようになったんじゃないから!

友達のおかげだから!

と念を押されてしまいました。

きつい一発”!

心療内科は暇つぶしだったと告白された。

私の高慢な心を見透かしているようでした。

私は確かに高慢ちきになっていました。

だってよ、学校と名のつく所にはもう絶対行かない!って

行ってたのに、自分から行きだしたんですもの。

私にだって、少しは自慢したい気持ちがあったっていいじゃないか!

でも、その思いは見事に打ち砕かれる事になって行くのです。

人生、甘くない!!

不登校児を持つ親御さんは、本当によく頑張っておられます。

人知れず涙しておられます。

一言では言えない思いを、抱えておられます。

そんなご家庭がありましたら、どうか、どうか温かく見守って頂きたい。

お母さんをねぎらって差し上げてほしい。

抱っこが足らなかったとか、甘やかしたとか、言わないで下さい。

お母さんは、その時できる精一杯をしてきただけなのですから。

誰も、責めないで下さい。

必ず、その事を通して、最高の人生を生きられるように

なりますから…

必ず、希望はありますから…

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